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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
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愛の群像Ⅱ
愛の群像のその後のストーリー
No 4 HIT数 3858
日付 2013/01/15 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル 愛の群像Ⅱ 第四話 彼の笑顔
本文


       
第四話



シニョンはジェホの写真を前にして、しばらく動けなくなっていた。
写真は葬儀の時に使われた写真立のままで、彼はその中で
昔と変わらない笑顔を向けていた。
その横には彼が好きだった黄色の薔薇が咲き誇るように活けられ、
傍らには彼の好物のトッポギなどが所狭しと供えられていた。

「座りなさい、シニョン」 背後からお茶を持って現れたジンスクが声を掛けた。

「えっ?・・あ・・はい・・・」 
シニョンはジェホの前に敷かれた座布団の上に腰を下ろし、ジンスクに視線を向けた。

「ごめんなさい。こんな遅くに・・・今夜お訪ねするつもりはなかったんです。
 落ち着いたら、きちんとご挨拶に伺おうと・・・」

「わかってるわ、シニョン・・・」

ジンスクは笑顔でシニョンの言い訳を遮った。

「ごめんなさい」

「もうよしなさい、謝る必要が何処にあるの?」

「はい・・・ごめんなさい・・・」

「・・・元気にしてたの?」 
ジンスクがそう言いながら、膝の上に置かれたシニョンの手に自分の手を重ねた。
「病気はしなかった?」
そしてジンスクは、もう片方の手でシニョンの髪に触れ、慰めをくれた。

「・・・はい・・・」 今度はシニョンが堪えきれずに両手で顔を覆った。

「この子ったら・・・年に一度の『元気にしてる』の葉書だけで
 声のひとつも聞かせてくれなかった」
ジンスクは口では諌めながらも、シニョンの髪を優しく撫でていた。

シニョンはこの12年、身内にさえひどい裏切りをしていた。
それは長いこと、ジェホと繋がる誰とも話をする勇気が持てなかったからだ。

それでも、彼らには自分の安否を伝える努力はしていた。
父と母そしてこの伯母の三人に欠かさず毎年Bithday Cardを送った。
『自分を心配してくれるな』と『どうか元気にしていて』と願いを込めて。

その頃の彼女は、それが唯一人間としての最低限のルールを守ることだと、
自分に言い聞かせていた。
それが彼女には精一杯のことだった。

だから父や母が自分に対して、『親を捨てた』と罵りたくなる気持ちも理解できた。

しばらくしてやっと、シニョンは落ち着きを取り戻して、出されたお茶を口にした。
お茶はまだほんのりと温かく、何より伯母の心が温かく、体の芯まで
癒してくれるようで、彼女はほうっと息を吐いた。

ジンスクは彼女のその様子をただ黙って見つめていた。

「落ち着いた?」

シニョンは無言で大きく頭を二度縦に振った。

「ところで、ジェホに会ったんですって?パク・ジェホ」

「ええ」

「驚いたでしょ」

「ええ、とても」

「私も未だにあの子が来るとドキッとするわ」

「そうでしょうね・・・瓜二つですもの」

「性格もよく似てるのよ」

「本当に?」

「ええ、頑固で、一本木で・・・だからなのか、父親とよくぶつかってるわ」

「ソックssiと?」

「ええ、ソックもいけないのよ。自分の息子に言われる言葉が
 カン・ジェホに言われているような気がするみたいで、直ぐに本気になるの
 『あいつにはジェホが乗り移ってるんだ』って、
 『だから俺のことが嫌いなんだ』って、くだらないことで騒ぐの・・
 まったく・・どっちが子供なんだか・・・」

シニョンはジンスクのその言葉だけで、昼間のジェホの
父親の話題で見せた一瞬の暗い顔が理解できたような気がした。

「ジェヨンは?」

「あの子は大丈夫よ。しっかりしてる。
 今は私の仕事を手伝ってるわ」

「仕事を?」

「聞いてなかった?」

「ええ」

ジンスクはシニョンの父の仕事の共同経営者でもあったが、
彼女は仕事の細かいことは何も聞かされていなかった。

「この10年は、会社も順調だったのよ。
 きっと、あなたのことを忘れるために、私たちは仕事に打ち込めたのかも」
そう言ってジンスクはシニョンを優しく睨んだ。

「・・・・・・」

「ジェヨンも子育てしながらうちで働いてもらっていたの」

「そうだったんですか」

「最近はお父様が事業から少し手を引き始めて・・
 あの子が私の補佐をやってくれてる。
 あなたのお父様も彼女を頼りにしてくださってるし、
 そろそろ私たちの後継に、とも考えてるの」

その話を聞きながら、シニョンは嬉しそうに微笑んだ。
ジェホの妹ジェヨン、あの子のことがずっと気掛かりだった。
ジェホが幼い時から守ってきた愛しい妹。
それなのに自分は彼女を思いやる余裕さえ持ち合わせていなかった。
そんなジェヨンが、しっかりと生きてくれていたことが、心の底から嬉しかった。

「まだ会ってないんでしょ?あの子に」

「え・・ええ・・・今度の休みに行くつもりです」

「あの子達があの家に住んでいること、最近知ったんですって?」

「ええ、もう売り払ったものとばかり思っていましたから。正直驚きました」

「そうする予定だったの、本当は。まだ事業が軌道に乗らないころね
 あの家を処分しようって・・・
 でもあの子が・・ジェヨンが頑なに反対したのよ」

「ジェヨンが?」

「あの家がないと、オッパもオンニも戻る場所が無くなるって
 そう言って懇願したの。あなたのお父様に。
 自分が頑張って仕事するからって言ってね」

「そんなことを?」

「この家も大分古くなったでしょ?」 ジンスクは周りを見渡しながら言った。
「周りからは新しい家に替わるように薦められてたのよ・・・
 でもできなかった・・・私もあの子と、ジェヨンと同じ気持ちだったから・・・
 ジョホが・・・あの子の魂が戻る場所を無くしたくなかったから・・・
 それから・・・あなたが戻る場所もね」

「・・・・・・」

「あなたのお父様もそうよ。昔の家を買い戻すのに苦労なさっていたわ。
 既に他の人が住んでいたしね。
 相場の倍近く払って、無理無理買い戻したの。
 『この家なら、シニョンが戻って来られるはずだ』
 そう言ってね。・・・聞いてなかった?」

シニョンは溢れる涙をそのままに、大きく横に頭を振った。

「私は・・・親不孝ものですね」

「そうね・・・親不孝だわ。
 でもそのことがお父様達の仕事への活力にもなったような気もするわ」

「でも、父も母も・・・許してくれそうにありません」

「そんなことはないわ。あなたが戻ると聞いて、お父様がどんなに喜んだか、
 お母様がどれほど声を震わせて泣いたか・・・
 知らないでしょ?」

「・・・・・・」

「私もそうよ。あなたを待ってた。ジェホを待ってたの。
 だってね、ジェホのことだから、あなたについて行ってしまって、
 お盆さえもきっと、ここに帰って来なかったはずだから」

シニョンはジンスクの言葉に、泣き笑いを見せた。

「ごめんなさい」

「そうね・・・あなたはお父様たちに沢山謝らなきゃね 
 でも私にはもう止めなさい、謝るのは。
 こうしてジェホを連れて戻って来てくれたんだから・・・」
ジンスクはそう言いながら、ジェホの写真を見た。
「最近ね・・・あの子がここにいるのを感じるの・・・
 『やっぱり、シニョンと隠れていたのね』って、
 今朝も写真に向かって怒鳴りつけたところよ」

「・・・伯母さん・・・」

「シニョン、もう遅いから今夜はここに泊まっていきなさい。
 お母様には連絡しておくわ。
 今夜は私と布団を並べて、お話しましょう。いいでしょ?」

「はい」





朝の陽の光が硝子障子から差し込むより早く、シニョンは目が覚めた。
布団の中で遅くまで語り明かしたジンスクは、まだ傍らで寝息を立てていた。
シニョンは起き上がると、ジェホの前に座って、しばし彼を見つめた。

「・・・・・ジェホヤ・・・もう過去を振り返っては駄目よね。
 私・・・強くならないと、みんなをまた傷つけるわね。
 でもねジェホヤ・・・あなたを忘れることはできそうにもない。
 だって、18年掛かっても私・・この有様よ。
 忘れようと努力するなんて無駄なことだって・・わかったの。
 だから、決めたわ。
 私は・・・あなたをここに抱いたまま一緒に生きようと思う。」
シニョンはそう言いながら胸に手を当てた。
「ねぇ、ジェホヤ・・・私が笑えばきっとあなたも笑うでしょ?
 私が幸せなら、あなたも幸せよね。・・・そうでしょ?」


その時、中庭の方で物音がした。
シニョンはそうっと立ち上がって扉をゆっくりと開けた。
まだ薄暗い中、敷地の中央に動く人影が見えた。

この家は、長屋の住人だったインスク達が独立した後、ジンスク以外
誰も住んでいないはずだった。

「誰?」
シニョンの声にその人影は驚いたように、持っていた手桶を落とした。

「誰なの?泥棒?・・・ど・・泥棒!」

シニョンのその声に、ジンスクが驚いて目を覚ました。

「どうしたの?シニョン!」

「ど・・泥棒です」 
シニョンはそう叫びながら、瞬時にジェホの写真のそばにあった竹刀を手にした。
そして勢いよくその不審な影に向かって突進した。
しかし、その竹刀はぴたりと動きを止めた。
強い力で掴まれた竹刀と共に、シニョンは身動きが取れなくなってしまった。

「は、離しなさい!離して!」 
シニョンは竹刀を掴んだまま力一杯に身を捩った。

「静かに」 その影が落ち着き払って静かに言った。

「な・・」

「落ち着きなさい、イ・シニョンssi」 その声が凛として言い切った。

「えっ?」

シニョンはふいに名前を呼ばれたことで驚き、力が一瞬緩んだ。
そして掴まれた竹刀の上の方を下から恐る恐る見上げた。

「あ・・・」《あなたは・・・》
「ジュンスssiじゃないの」 
シニョンの背後から、ジンスクが彼女より先に彼の名前を呼んだ。

「えっ?」 シニョンは呆気にとられて、言葉を詰まらせた。

「ジョギングからの帰り?」 ジンスクが笑顔を向けて、彼にそう言った。

「ええ・・起こしてしまってすみません。ジンスクssi」
ジュンスもまたジンスクに笑顔を向け、そう答えた。

「えっ?」

シニョンにはわからなかった。
あのキム・ジュンスがどうしてここにいるのか。
どうして、ジンスクは彼を知っているのか。

そして何より、
ジンスクに向けたくったくのない彼の笑顔に、興味を唆られる自分が

不思議でならなかった。










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kurumi☆
却って混乱させたでしょうか^^;要は今現在のヨンジュンssiがこの役をやったら、というイメージで読んでいただけるといいかと^^ 2013/01/20 18:16
kurumi☆
ここでキム・ジュンスという男のイメージをお伝えします^^外見はメガネを掛けていないインス^^内面は冷酷では無いドンヒョクと自分をチュンサンと知ったけど思い出せてはいない頃のミニョンssiとの中間(笑) 2013/01/20 18:13
hiro305
葬儀のままの写真に好きなバラとトッポッギ・・・そうする叔母さんの気持ちがとても良く分かります。そうしたいし、そうせずにはいられない・・5年10年なんて飛び越えるもの。で、「え~!ここで終わるの~?」② 2013/01/17 15:46
rz
ひょえ~どうなるんでしょうかああ@@ 2013/01/16 19:52
ジェニー・S
ジュンスssiの存在が気になって ドキドキ胸が高鳴ります。 kurumiさん待ってま~す♪ 2013/01/16 18:27
utahime27
お決まりの・・・「え~!ここで終わるの~?!」  彼はいったい誰??  待っています^^ 2013/01/16 00:22
 
 

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