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【 koko の Valentine's Day 】 |
【 koko の Valentine's Day 】 は
医師の 呼ぶ子と書く 呼子 koko ちゃん と 直さんとのお話です。
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No |
26 |
HIT数 |
4003 |
日付 |
2009/09/28 |
ハンドルネーム |
maako4 |
タイトル |
24話 【 koko の Valentine's Day 】 |
本文 |
【 koko の Valentine's Day
】 24話
加賀美家から電話を受けた園田家のリビングでは、
志乃と華子はすなおの帰りを待つ間に身なりは整えていた。
すなおは帰宅すると祖母と華子にせかされ、
食卓につきラフなブレザースーツのままだった。
志乃がいそいで着替えるように促した。
しかし、すなおは腰をあげようとしない。
しないのではなく、たつ事すら出来ない状態だった。
7時過ぎ、すなおが帰宅。
祖母と母華子が正装しているので不思議におもいながら、
せかされ食卓についた。
すでに、食事は並べられ、はじめてと言ってもいいだろう。
異様な雰囲気に戸惑いながらあわただしく夕食を終えた。
祖母から大切な話があるからとリビングに移動した。
母が、お茶を入れそれぞれの前に
…
加賀美家で話された同様の内容が祖母から話された。
祖母、志乃と 母、華子がショックを受けたのは、
すなおがすでに母、華子が義母であると言う事は
知っていたと言うことだった。
高校に入り、1ヶ月もたたない頃、友人が交通事故に会い
血液型の事が話題になった。
それまで、不思議なぐらい一度も自分の血液型を気にも
止めていなかったがふと気になり、虫の知らせとでもいうか
家族に聞く事なく、友人の父が開業している病院で
数名と検査を受けた。
その後、華子が子宮筋腫で手術をしたさい、
見舞いに行くとその頃は、枕元にネイムプレイトに
血液型が記載されていた。
あれ? まさかと思ったが義母である事を知った。
すなおは、祖母の横でうつむく華子を眺めながら、
淡々と語る祖母の話を聞いていた。
出生のいきさつを話され、すなおは話の途中でふと、
今、話されている話をするためにわざわざ職場に
電話までしてきて話さなくても、前夜でもよかったのでは?
今日でなくても後日でもとおもった。
そして、戸惑う祖母にその事を話すと、そのあとから
話された内容にすなおは驚きと冷静さを失い、
血の気が引いていくのを感じた。
長い沈黙が続いていた園田家の
リビングの電話がなり響きそれぞれが、我にかえった。
母が、電話にでたあと祖母に変わり、
「
お待ちいたしております。」
の言葉に、すなおはあらたに血の気が引いていくのを感じた。
その後、母と祖母はあわただしくあちらこちらを
ばたばた動き回り落ち着かない状況が続いた。
「
お母様。
お玄関にスリッパは いくつ並べておけばいいのでようか?」
と言う母の声が耳に入ってきた。
「
お三人でおこしになられると言われていたわ。」
インターフォンが
…
二人は、玄関に飛び出していった。
リビングのドアがあいた。
祖母のあとに着物を着た三人の女性が入ってきた。
すなおは、
客室に通されるものと思っていたのであわてて席を立つた。
すなおのいる場にみなが集まった。
「
こんなに大きく … 」
そのあとは言葉にならず、バックからハンカチを出し涙をぬぐう。
「
すなお。 あなたのおばあ様よ。 加賀美 八重様
。」
すなおは、軽く会釈した。
そして、
入ってきた時に一瞬 koko
かと思ったぐらいに よく似た女性を
「
すなお。 直穂子さんよ。」
祖母は、母華子に遠慮をしたのか、お母さんとはつけず
直穂子さんと紹介した。
すなおは直穂子さんと紹介された
koko
にそっくりの女性を眺めていた。
直穂子さんは涙をぽろぽろながしていた。
こんなに目から涙が流れる出る状態を見るのははじめてだ。
涙をぬぐった直穂子は、園田の祖母の後ろに
たたずんでいた華子のそばに行き、
「
華子さん。 ありがとうございました。 こんなに立派に
… 」
そのあとの言葉は、聞きとりにくく、少し間をおき
手に持たれた、包みから一冊の本のようなものを手に
…
すなおに手渡した。
「
華子さんが、あなたの事を年の初めにてんとう虫のチョコレートと、
お写真と近況を知らせてくださっていたのよ。」
すなおはそっと開けて見た。
そこには、
母、華子の字でかかれた便箋と写真が奇麗に整理されていた。
こおこが待ちきれず、
すなおのそばにいき、にの腕のあたりを指でつつき、笑(え)みで、
「
こんばんわ。 はじめまして?
はじめましては、おかしいかな~
10ヶ月もおなかの中で一緒だったのよね。
こお子です。
数時間前にすなお君と言う双子の弟が存在すると言う事を
聞かされ、てっきり、うりふたつの、もうひとりの
「 こお子 」 が と思っていたらまったく似ていないのね。」
と、 じろじろながめながら
…
「
一応、少しあなたより
この世に一足早くでてきたらしくあなたのおねえちゃんどす。
koko
ちゃん。 ずるおすなあ~
こんな素敵な青年を7年間も独り占めしていたなんて!
あんなに結婚を進めても話にのらないはずだわ~
私だって
… 」
「 こお子ちゃん。 お行儀の悪い。 すみません。
しつけが行き届いてませんで
… 」
と、祖母八重が深々と頭を下げた。
園田の祖母が、 「
直穂子さん、ありがと~
こんなに奇麗に元気にそだてていただいて … 」
「
ああ~ 神様に感謝ですわ~
急に、お父様が二人。 お母様もふたり。 おばあさまも …
そして、こんなにすてきなおとうと君が
… 」
お互いにそれぞれ顔を見合わせ笑いがおきた。
「
も~ こお子! すいまへん。 いつもこんな調子で … 」
祖母八重と、母直穂子がまた頭を下げた。
「
あの~ 園田のお父様は? 」
と、あっけらかんとした口調で、
こお子がきょろきょろしながら聞いた。
「
すみません。 急にこんな運びになりまして、仕事で
今日は、帰れないかもしれないのです。
週あけに、
アメリカで学会がございまして、その準備におわれています。 」
「
いや~ アメリカに行きはるのどすか~?
加賀美のお父さんはこの間、エジプトでした。
こお子は幸せものどすなあ~
立派なおとうはんがふたりもいてて
…
すなお君は、やさしい、きれいなおかあはんが
おふたりいてはってよろしおすなあ~
」
華子が、志乃に耳打ちをした。
「 ああ~ すみません。 立ち話で … あちらの部屋の方に
… 」
直穂子が華子に手土産を渡し、
園田の祖母のうしろをみながついていった。
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