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続【koko … 白いぺージ】 |
《 続 》 【 koko の Valentine's Day♪ 白いページ 】 は
【 koko の Valentine's Day♪ 】 の 続編です。
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No |
1 |
HIT数 |
5887 |
日付 |
2009/10/06 |
ハンドルネーム |
maako4 |
タイトル |
1話 《 続 》 【 koko の Valentine's Day♪ … 白いページ … 】 |
本文 |
《 続 》 【 koko の Valentine's Day♪ … 白いページ
… 】 1話
「 日本さくら名所 100選
」 にも選ばれた、夙川の河川敷沿いを、
時々、 呼子と直は顔を見合わせ微笑み、そのあと目線を落とし、 はにかむ。
手をつなぎ
… 腕を組み …
4キロ、 2000本あまりも植えられているという
桜並木を男女がゆっくりした歩調で歩いている。
月明かりに照らされ、 明日にでも開花しそうな
ふっくらしたつぼみの桜の木々に眺められながら、
心の会話を楽しんでいるかのようにゆっくりゆっくりと
…
洗練された容姿の二人とすれ違うもの中には振り返り
立ち止まる者も
…
呼子は38歳。 直は41歳。
10年と言う月日がながれた。
呼子と直はあらたに刻まれた 穏やかな時間(とき)を過ごしていた。
と、 言ってもまだ数日のことだった。
ときが流れた。
10年
…
一夜にして夢であったらさめてほしいと願った。
その日を境に、 呼子と直は今まで二人をとりまいていた
家族と言う名の者に対して心を閉ざした。
呼子は母校の大学の付属病院で基礎医学の世界に力を注ぎ、
直は、 他国でわが身を置き、心臓外科医として
技術の習得にすべての時間を注いだ。
そんな二人の再会は、 直の父 光太郎の葬儀の席だった。
光太郎は数日、 風邪気味で 身体がだるい。
がんばりがきかない。
と、 言っていたが、特別変わった様子もなく過ごしていた。
なかなかおきて来ない光太郎を華子が様子を見に行き、
最悪の結果を目にした。
あとでわかった事だが、 狭心症でニトログリセリン錠も
時折使用していたらしい。
華子から、 加賀美家に連絡があり、
母 直穂子が、 いちばん近い所に居住している呼子に連絡を入れた。
呼子が駆けつけた時には、 すでに葬儀業者が来ていた。
数年前に、 加賀美八重
・
園田志乃 の 両祖母は他界した。
葬儀に直は帰ってこなかった。
園田家は数代医師の家系が続いていたせいか
加賀美家の女性達が騒ぐ程でもなく、 華子は
「
仕方がない事です。 お仕事では …
」
直は仕事を理由にした。
自分でもよくわかっていた。
しかし、 どうすることもできなかった。
加賀美八重が他界した時には仕方がないとしても、
園田志乃が他界した時にも直が帰国しなかったことで、
初めて、 直の心中を考えさせられた直穂子と光子だった。
ふと気がつくと、 呼子も数年
…
いや! この十年間に数えるほどしか自分達のそばにいなかったことも
…
あの出来事から、 呼子と直の他の
加賀美家 ・
園田家のそれぞれ家を行き来し、楽しく、有意義な日々を過ごした。
光子はこの間、 女子3人の子供にも恵まれ、
両家の皆が、孫やひ孫の成長を共に喜び、にぎやかな時を重ねた。
そんな中、 加賀美八重が85歳半ばで他界。
1周忌を終え、 その後 、園田志乃が日ごと弱り、
他界した。
その頃から、 直穂子と光子は気になりながら、
今までは口に出す事はなかったが、
最近、 気がつくといつも二人の間での会話が、呼子と直の話題になる。
あの一夜の出来事が明暗の暗の世界に入り込んだ
二人に目がむけられた。
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